純情ヒエラルキー
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2019.06

2019.06.08 01:25

「多層階思慕」:/ 現パロ / フェルトの誕生日記念小説 / 転生匂わせ

 雪で電車が遅れてるみたい。 十分くらい遅れるかも。 画面の上に灯る既読の文字を認めると、彼女はスマートフォンをコートのポケットに滑り込ませた。両手を合わせ、冷えた手と手をこすり合わせると、環状線のホームから騒がしい師走の大通りを見下ろした。冬の始めに心を賑やかせた並木道のイルミネーションはもはや見慣れた情景で、この凍えるような寒さの気晴らしにはちっともなりそうにない。それに一刻も早く目的の場所に...

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